レモンサワーとレモネードの違いとは?

ワインコンサルタント&ソムリエの広瀬勇二です。

ワインコンサルタント&ソムリエの広瀬勇二

レモンサワーと言えば、居酒屋に行けばたいがい取り扱いがある定番のお酒ですね。人気グループEXILEが、打ち上げ時に一晩でレモンサワー2500杯を飲んだなどという都市伝説的なエピソードもあり、誰もが知っていて親しみもあるお酒の一つと言えるのではないでしょうか。

レモネードも、レモンの酸っぱさと甘みが心地良いソフトドリンクとして馴染み深く、オリジナルレシピや、水で割って簡単にできる粉末タイプのものもあったりと、身近で親しみやすいノンアルコールの一つです。

しかしながら、最近コカ・コーラ社から「NOMEL’S HARD LEMONADE(ノメルズ ハードレモネード)」たるアルコール飲料が発売されまして、度数は低いですがしっかりとアルコールが入っております。

レモネードと名乗っているのですがアルコール飲料?これは一体どういうことなのか?レモンサワーとは違うのか?

今回は、レモンサワーとレモネードを、その違いも含めて探究していきたいと思います。

レモンサワーの定義

以前「チューハイとサワーの定義は?」の回でサワーの定義の説明もいたしましたが、サワーは「英語のサワー(sour)=酸味のある、酸っぱい」から来ており、「酸味のある」という意味ではありますが、必ずしも炭酸を使わなければならないというわけではありません。

日本バーテンダー協会(NBA)が発行しているオフィシャルカクテルブックを見ると、むしろ「ソーダを使わないのが原則だが…」という記載まであります。

これらを考えると、レモンサワー=炭酸で割るというわけではなさそうですが、私も含めて日本では往々にしてレモンサワー=炭酸割りというイメージを持っておりますので、レモンサワーに関しては「主には焼酎(例外もあるようです)にレモン果汁や果肉を加え、それを炭酸で割る」という認識でよろしいかと思います。

ちなみに関西ではレモンサワーのことをレモンハイと呼ぶケースが多いようで、エリアによってはレシピも含めてその定義は様々なのかもしれませんね。

ちなみに私が以前飲食店に勤務している時は、隠し味としてコアントローを10ml程加え、よりアルコールが強く、ほんのり苦味も加わった少し大人の味のオリジナルレモンサワーとして提供をしておりました。

レモンサワーを研究している協会もあるようで、使用するレモンの量に至るまで細かくレシピを研究しているようです。

レモネードの定義

レモネード(lemonade)の定義を説明する前に、先にエード(ade)の部分を説明をしなければなりません。

エードとは、果実を薄め甘味料を加えた飲料水。ソフトドリンクの一種で、通常は果汁、水、砂糖を組み合わせて作られます。

オレンジエード、グレープエードなど主に接尾辞として使われる言葉で、レモネード(レモン・エード)にも使われております。

つまりレモネード(レモン・エード)の定義は、レモン果汁に甘味を加えて冷水で割った果汁飲料となります。

冷水でなくお湯で割れば「ホットレモネード」、また炭酸で割れば「レモンスカッシュ」となります。

しかしながら、世界的に見ると「レモネード」また「レモンスカッシュ」の認識は国によって多少違いがあるようです。

この呼び方は必ずしも世界共通ではないようです。

アメリカ、カナダでは、先の説明通りにレモン果汁に甘味を加えて冷水で割ったものをレモネード、炭酸で割ったものをレモンスカッシュと呼びますが、イギリスでは炭酸で割ったものをレモネード、即ち我々がレモンスカッシュと呼んでいる形をレモネードと呼ぶようです。

オーストラリアとニュージーランドでは、無色透明の炭酸レモン水のことをレモネード、これがレモン果汁などで濁っているとレモンスカッシュと呼び、いずれにせよ炭酸で割ることが前提のようです。

このように、レモネードとレモンスカッシュも認識は国によって様々ですが、NBAオフィシャルカクテルブックではレモネードは炭酸は使わないスタイルになっておりますので、バーテンダーの方々も含めて少なくとも日本ではレモネードは炭酸は使わないという認識が強いようです。

また、レモネードにアルコールを加えたものがアメリカではハードレモネードと呼ばれており、日本でもカフェなどでメニューに取り入れられたり、専門店も登場したりしています。

ちなみに先に紹介をしたコカ・コーラ社の「NOMEL’S HARD LEMONADE(ノメルズ ハードレモネード)」は、アルコールにはオリジナルのスピリッツを使い、またトニックフレーバーなども加えて3種類の独自の味わいを展開しております。
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NOMEL’S HARD LEMONADE(ノメルズ ハードレモネード) | Amazon

オススメの缶レモンサワー、レモネードランキング

次は、私の独断と偏見で決めたオススメの缶レモンサワー、レモネードランキングをお伝えいたします。

【10位】氷結 シチリア産レモン(KIRIN)

まずはキリンのロングセラー「氷結シリーズ」から。元祖スッキリ缶チューハイと言っても過言ではない氷結シリーズのシチリア産レモンは、本来であればもっと上位にランクインしても不思議ではないのですが、あまりに王道過ぎて敢えてスタートの第10位でご紹介させていただきました。「無糖レモン」もあり、糖分が無い分シャープな味わいにはなりますが、氷結ブランドは健在。
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【9位】レモン・ザ・リッチ(サッポロ)

「ポッカレモン」や「キレートレモン」といったヒット商品を出しているメーカーとして定評があるサッポロが手がける濃厚なレモンサワー。レモン果汁に加え、レモンの果皮のほろ苦い味わい。レモンオイル、レモンパルプのコクのある美味しさを贅沢にブランドした混濁果汁「プロフェッショナルクイーズ」が大人の味わいを表現。
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【8位】贅沢搾り レモン(ASAHI)

アサヒの贅沢搾りレモンは、レモンまるごと1個分以上の果汁を使った、ネーミング通り“贅沢”なチューハイ。果汁14%という、缶レモンサワーの中では高めの果実量で、人工甘味料も不使用。多い果実量の割にバランスが良く、ASAHIさんのセンスの高さを感じるレモンサワー。
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【7位】こだわりレモンサワー 檸檬堂 (コカ・コーラ)

日本コカ・コーラ初のアルコール飲料製品として注目も集めているレモンサワー。まるごとすりおろしたレモンを、あらかじめお酒に漬け込む「前割り製法」を採用。初のアルコール飲料製品とは感じない完成度。「定番レモン」の他に、アルコール度数やエキス分の違いにより「鬼レモン」「カミナリレモン」と全3シリーズありますが、カミナリレモン、鬼レモンはややアルコールが先行した味わいで、バランスを考えると定番レモンが最も完成度は高いか。
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【6位】こだわり酒場 レモンサワー(サントリー)

ネーミング通り、お酒やおつまみにもこだわっている酒場で出てきそうなレモンサワー。こだわりの居酒屋などでよく見る、レモンを丸ごと入れた生レモンサワーで感じるような苦味もあり、爽やかだけのレモンサワーでは物足りない方にオススメ。ベースにはウォッカなどスピリッツを使っている商品も多い中、しっかりと焼酎も使っているあたりもこだわりを感じます。「こだわり酒場 レモンサワーの素」を使って、お好みの濃さで自家製レモンサワーを作るのも一興。
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【6位】発酵レモンサワー(KIRIN)

「発酵レモン果汁」を用いて、レモンの美味しさをより濃く引き出したレモンサワー。発酵という生命活動によって生まれた複雑みのある味わいが玄人好みか。より強くレモンの味わいを感じたい方は「濃いレモン」がオススメ。
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【5位】JIM BEAM Lemonade HIGH BALL(サントリー)

厳密に言えばレモンサワー、レモネードとは違うのかもしれませんが、サントリーが誇るバーボンのジンビームをベースに、レモンの風味をふんだんに加えたレモネードハイボール。良い意味でバーボンが脇役になっていて、アルコールは5%と控えめですが、後から感じるバーボンの味わいが爽やかな中にも深みを感じる。
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JIM BEAM Lemonade HIGH BALL(サントリー)

【4位】SAPPORO CHU-HI 99.99 クリアレモン(サッポロ)

サッポロが展開するチューハイシリーズ99.99(フォーナイン)のレモン味。ネーミングにもある99.99%の高純度ウォッカを使用した、超クリアでスッキリした味わいのレモンサワー。クリア度ではNo.1か。
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【3位】HARD LEMONADE NOMEL’s (コカ・コーラ)

コカ・コーラが発信するハードレモネードシリーズ。POPな缶デザインとアルコール5%という低アルコールが親しみやすく、気さくに飲むにはオススメ。「甘酸っぱい」「ちょっと酸っぱい」「ほろにが」と3種類の味があり、自分の好みとその日の気分に合わせたチョイスをすると良いでしょう。
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NOMEL’s HARD LEMONADE | ノメルズ ハードレモネード

【2位】麹レモンサワー(KIRIN)

麹の持つ旨味成分により、皮ごと搾りレモンの旨味を引き出したという、他に類を見ないレモンサワー。レモンを皮ごと搾った場合、多少苦味が出てしまうのは否めないのですが、それを見事に打ち消して、むしろ隠し味としてほのかに感じるような素晴らしいバランス。レモンサワーは当然多少酸っぱく爽やかな味わいになるのですが、缶に記載してある「爽やかうまみレモン」を見事に表現しております。
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【1位】The 檸檬 Craft 極上レモン(ASAHI)

私の中ではぶっちぎりの1位です。スクリューキャップには「缶から直接お飲みください」の注意書き。キャッチコピーは「この香り、衝撃。」。そしてCMでは新木優子さんが「超レモい…」と感嘆しておりますが、全て嘘無し!缶から直接飲むという理由も納得の芳醇な香り。決め手の「秘密のひと搾り製法」により、エレガントさが他の缶レモンサワーとは段違い。レモンサワーのみならず、他の缶チューハイでもASAHIさんの商品はエレガントさが秀でており、私個人的にはこの手の商品はASAHIさんが一番だといつも感じております。
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*こちらはあくまで私の主観と好みで選んだランキングです。

【番外編】ラムネやサイダーの由来は?ソーダとは何が違うの?

炭酸と言えば、コンビニエンスでも手軽に入手できるソーダがありますが、ラムネやサイダーとは違うのか?ラムネとサイダーどちらも炭酸ではありますが甘味があるイメージがあり、またソーダにも甘いものもありますが、これらの違いは何なのか?

最後は番外編として、ラムネ、サイダーの由来、そしてソーダとの違いについて説明させていただきます。

まずソーダ(Soda)の定義についてですが、ソーダは甘いか否かは問わず炭酸飲料全般を指します。従って、ラムネもサイダーもソーダの一種ということになります。

その認識の中で、次に私も幼少期によく飲んだ「ラムネ」の名の由来をお伝えいたします。

この「ラムネ」という単語、実は語源はレモネードで、1853年にアメリカからペリー提督が浦賀に来航したあの黒船来航時に、初めて日本に上陸したレモネードが訛ってラムネになったと言われております。

「サイダー」は、英語で書くと“CIDER”。フランス語の『シードル(CIDRE)』が語源で、ご存知シードルはリンゴのお酒です。

従って、本来レモネードが由来のラムネはレモン風味、シードルが由来のサイダーはリンゴ風味であるべきなのですが、明治時代、現在の『三ツ矢サイダー』さんが、当時甘味ソーダの製造と販売を始めた時に使った「サイダーフレーバーエッセンス」という香料の名を冠して「サイダー」という名でこの飲料を販売したことから、日本では甘味や香料を加えた無色透明の炭酸水を「サイダー」と呼ぶようになったようです。

やがて、このサイダーにもレモン系の香料を加えたものが出てきて、ラムネとの味わいの差もほとんど無くなってきましたので、現在は「ラムネ玉」と呼ばれるビー玉で栓をしているものが「ラムネ」、王冠やスクリューキャップを使っているものを「サイダー」と呼んで区別をしているようです。

というわけで今回のテーマは、「レモンサワーとレモネードの違いとは?」でした。

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